【態度】味玉を得てYAZAWAとMASUDAをリスペクトした話。
Attitude (アティチュード)
態度,心構え,気持ち,考え,意見,姿勢,身構え
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お気に入りのラーメン屋がある。
食べログの点数も高く、曜日を問わず常に行列が出来ているような。
店主は大の矢沢永吉ファンで、店の外観も真っ赤。店内にも多数のYAZAWAグッズが飾られているし、BGMはもちろん矢沢永吉オンリーだ。
私は昔からラーメンが苦手で、自発的に食べたくなることはほとんど無いのだけど、その店のラーメンは本当に大好きなのだ。
一人でフラッと行くこともあるし、今日のように夫と二人で並ぶこともある。
二か月ほど前に来店した際、スタンプカードを忘れてしまったことがあった。人気店で常に忙しそうなため、スタンプをもらわずに退店する事もざらにあったのだけど、その日は店主に声を掛けてもらって、スタンプカード忘れに気付いた。
気を利かせてレシート裏に代替スタンプをもらい、その気遣いが嬉しかったのでそのレシートはずっと財布に入れていたのだけど。
今日、家を出るときに[スタンプカード捨てちゃったぽいな]ということに気付いた。
大好きとはいえ、毎週のように通っているわけじゃないし、正規の料金で食べて本当に毎回「あ〜〜美味しかった〜〜」って幸せになるのであんまり気にしていなかった。
昼時を外したものの、やっぱり少しは並んで券売機にたどり着く。いつものメニューを選んで少し待つと、お目当ての丼が運ばれてきて、「これこれ〜〜」なんて思ってるうちに食べ終わる。
今日は、いつもの店主の他に、初めてお会いするスタッフの男性がカウンターに立っていて、その男性が私たちの丼を下げながらスタンプカードの有無を聞いてくれた。
「この前忘れちゃったときに、このレシートにスタンプもらったのですが、家にもカード見当たらないので新しく作り直してもらえますか??」
ちょっと恥ずかしいなぁと思いつつ、閉店間近で少し余裕のある店内に甘えさせてもらった。
面倒なこと頼んですみません。。なんて思っていると、
「スタンプいくつ押してありましたか?」
と、さわやかな笑顔で聞き返される。
「いえいえ、全然たまってなかったですし、覚えていないので、そのレシートの分と、今日の分だけで作ってください!!」
当然こう返したのだけど、新しいスタンプカードを手渡されるときに
「一列押しときましたから、次、味玉食べてくださいね!」
と、言われた。
近くに引っ越してきてから3年以上通っているし、店主とは何度も会話をしていて、今では言わなくても私の苦手な薬味を抜いてくれるくらいに常連扱いしてもらっているのだけど。
今日対応してくれたスタッフは初対面だったし、たぶん、私がよく来る事も知らないだろうに、こんなに良くしてもらったことに感動してしまった。
帰り道、夫とこんな話になった。
あそこのスタッフということは、おそらく矢沢永吉のファンなんだろう。
あの店のスタッフはいっつも感じが良いから、お店としての人材教育も徹底されてるんだろうけど、滲み出る人間力のようなものはなかなか指導で生まれるものじゃない。
そうなると、心の中に矢沢永吉がいることで、あの人たちはあんな風に人に接する事が出来るのかもしれない。
矢沢永吉って本当にすごい。
なんか、そういうファンになりたいもんだよね。
と。
飛躍した考えでもあるのだけど。
誰か、何か、を熱烈に好きになること、心の中にその人、物、が在ることで頑張れたり、強くなれたり、優しくなれたりする事があると、私(と夫)は知っている。
だからこそ、あんな風に振る舞える人の尊敬する矢沢永吉という男はきっとめちゃくちゃカッコいい男なんだろう、とすんなり思ってしまった。
そんなことがあって、私は昨夜のことを思い出した。
私の愛するNEWSの、増田貴久さんが夏クールのドラマに出演することが決まったのだ。
なにやら発表があるらしい、と察してからザワザワと期待の空気が揺れていた真夜中のTL。
朝出しの誌面から情報がもたらされると、それは一気に喜びのコメントで満たされたのだけど、増田さんを一番に愛している人たち……増田担たちのツイートがすごく控えめなものばかりだと感じた。
私のフォローしている人たちも、フォローしてくれている人たちも数的には決して多くは無いので、「私の周りはみんなこう」みたいな言い方は無意味だと思うのだけど。
たくさんのフォロワーを抱える増田担の友人たちが、揃って控えめな言葉で喜びを表しているのを見て、今日のスタンプカードをもらったときのような気持ちになった。
わたしはNEWS担として、増田さんの出演するドラマに、NEWSの曲が使われたら良いなと率直に思ってしまう。
そして、それが全然不自然なことじゃないと思っている。
だけど、そうならなかった時の悔しさや、なにかを諦めなきゃならなくなった時の事、それまでにたくさんあった理不尽な不遇も含めて、少しずつ、彼女たちは「与えられたものだけを最大化して喜ぶ、あれもこれも、普通に与えられるものだと思わない」なんて、心に刻んで、アティチュードにしてきたのだなぁ、と。
昨夜はそれがなんだか切なくて、同じグループを応援する人間としては、呑気にあれもこれもなんて思ってしまって申し訳ないなぁなんて気持ちにもなったのだけど。
今日、スタンプカードをもらって、矢沢永吉という男をかっこよく思ったときに、増田さんのことも同じようにかっこいいなぁと思った。
未だ見ぬものを望み、嘆かない。
与えられた機会を大切にする。
それは、増田貴久本人が示したアティチュードだったのだなぁ、と思った。
そして、わたしも、NEWSファンとして、手越祐也くんのファンとして、
第三者が彼らに一目置いちゃうような態度で応援したいなぁと思った。
ファンマナーが問われがちな昨今、この気持ちを改めて胸に刻めたことは大きい。
あと、あの店の味玉はめちゃくちゃ美味しいので、次は二個食べられると思うとめっっちゃ嬉しい。
叶うなら、彼らに永遠のよきファンを。